小さい頃から藤城清治の世界が好きでした。
(藤城さんはあのケロヨンの生みの親でもあるのです!)
彼の影絵劇はどこか悲しく寂しいのと同時に
とても心地よく静かな安心できる世界でした。
小人や少女のシルエットはまるで遥か遠い国に住む異国の人のようでもあり
黒の線を中心としたなかに、藍色や紅色の華やかな色が溶け合い
気持ちをうきうきと軽くさせてくれる夢の世界が繰り広げられます。
大きな目とシルエットによる輪郭
人物の細部はわからなくても伝わってくる暖かさ
(藤城清治については↓から)
http://fujishiro-seiji-museum.jp
―――――――――――――――――――――――
今回ギャラリーに展示している鈴木信子さんの作品は
普段は気づかずに通り過ぎてしまうような瞬間を
まるで古い鏡を覗いているような世界に造りあげているのですが
そのなかに数枚、人物が写っている作品があります。
いずれも風景のなかから浮かび上がってくるシルエットの人物
それは藤城清治の影絵のように
黒の輪郭を通して
活き活きとしたかたちのなかから生まれる命があり
見る側の私たちにもそれがひしひしと伝わってきます。
シルエットが生み出す親近感
ぜひご覧になり、楽しんでいただけたら幸いです。