今日は久しぶりにスタジオの書棚より
アンドレ・ケルテスの「読む時間」
この本は以前書店で
本の帯の写真とその横に添えられた
谷川俊太郎の巻頭詩「読むこと」の一部
”・・・しばらく目を木々の緑に遊ばせて
あなたはふたたび次のページへと旅立ちます”
という言葉に惹かれて購入したものです
まさしく谷川がその巻頭詩に言うように
”その本があなたにウィンクしたのです”
この写真集に収められている作品は
町の中で、図書館で、公園で、木陰で、カフェで
大人も子供も思い思いの格好で
本を読んでいる姿を捉えたものばかりですが
中でもこの帯の写真に惹きつけられました
アメリカ コネチカットで撮影された作品だそうです
この写真には人は写っていないものの
木漏れ日のあたる書斎の窓辺で
そよ風を感じながら
ゆったりと本を読んでいたその姿を
思い浮かべることが出来ると思います
季節は初夏?
朝なのかしら? それとも昼下がり?
かごの中の鳥は?
どこからか小鳥のさえずりが聞こえているかしら
さまざまなことを想像しながら
しばし写真を眺めていました
そして谷川俊太郎の詩が
ついさっきまでいたであろう姿を
「あなた」という二人称を使って
この空間の穏やかな雰囲気を増幅させている
写真に言葉が寄り添って
より豊かな世界を作り上げているような気がしました